制作過程を撮影してみました。できれば、この企画は定期的に出してみたいと思っています。
　今までなぜ出さなかったのかというと、取りかかったばかりの段階では、作品がモノになるかどうか分からないので、写真を撮って残してみようとは思わないのです。モノになるかどうか分からないような絵が、だんだんと出来上がっていく課程が撮れればいちばん面白いのですが、おおよそ「この作品はいける」と思ったときには、かなり進んでいる状態で、もう撮っていってもさほど面白いものは撮れない段階まで来てしまっているのです。
　今回は、わりあいと面白い途中経過が撮れたので、こんなコーナーを作ってみました。
　私の作品は、時々極端に部分的に進むことがあります。これは、全体的な把握をせずに部分の集積をしているわけではありません。少し例えはおかしいのですが、「念写」のような進み方をしているのです。つまり、私にとっては、描き始める段階ではすでにキャンバスの上に出来上がった絵が見えているのです。モチーフが（今回はモデルですが）キャンバス上に念写されているのです。後はそれをなぞるだけです。だから、いちばん面白そうな所から部分的に進んでいくことになるのです。